冷え性とその対策~食事・食べ物を通じた体質の改善
冷え性は、血行不良によって毛細血管のすみずみまで血液が行き渡らないため、手足や腰・あるいは肩や背中などが冷たくなる症状を示すものです。
男女を問わず、また季節を問わず起きる症状であり、必ずしもやせた若い女性特有の症状というわけでもありません。
体型的に太っていても、冷え性で悩んでいる方は多くいるのです。
またダイエットのやりすぎや、オフィスで冷房に長時間さらされる日々が続き、体がすっかり冷え体質に傾いてしまうことなども、珍しくありません。
体の冷えによって血液循環が悪くなることから、肩こりや貧血・頭痛や腰痛・めまいや月経不順、慢性疲労などの症状を併発する場合もあります。
また美容面では、肌荒れや肌のくすみ・かゆみなどの影響を及ぼすこともあります。
西洋医学において、冷え性は病気とまではみなされておらず、いまだに確立した病名もないそうです。
そのため冷え性対策は、「いかに体を内側から温めるか」という東洋医学的見地から語られることが多くなっています。
東洋医学では、食品や栄養素の多くが「体を温める」「体を冷やす」という観点から分類されているのは、よく知られたところですね。
ここでは冷え性対策として、体を温めるはたらきのある(あるいは、体を冷やさないために避けたほうがよい)食事・食べ物と栄養素についてご紹介します。
食事・食べ物以外の冷え性対策全般については、関連サイト「冷え性 改善・解消対策 90秒レッスン(夏の冷え用)」も、あわせてご参照ください。
冷え性対策のポイント~効く食事・食べ物・栄養素
冷え性対策としての食事は、以下の四点が基本ポイントとなります:
・体を冷やすとされる食べ物を、なるべく避ける
・体を温める働きのある食べ物(栄養素)を、なるべく積極的にとる
・ただし、栄養の全般的なバランスには気を配る
・禁煙や過度の飲酒を避け、生活習慣の全般的改善をあわせて考える
以下、具体的にポイントを説明します。
まず基本的に、「加工食品」や「夏野菜」、そして「アルコール類」は体を冷やすはたらきがあることをおぼえておきましょう。
加工食品には一般に砂糖が多く使われていますが、砂糖(糖分)は血行を妨げ体を冷やすはたらきがあります。
コーヒーや紅茶自体にも体を冷やす作用があるといわれるので、できればハーブティーやホットウーロン茶などを選びたいところですが、たまの気分転換に飲むときでも、砂糖は入れないようにしたいものです。
また朝食をいつもファストフードで済ませるのも、冷え性の方なら避けたい生活習慣と言えるでしょう。
夏場なら「アイスクリームの食べ過ぎ」も体を冷やすので、注意したいところですね(アイスクリームの冷たさ以外に、含まれる砂糖もマイナスです)。
体を冷やす野菜としては、レタス・きゅうり・なす・トマトなどの、いわゆる「夏野菜」が多くあげられます。
その一方で「体を温める野菜」としては、主に「根野菜」、すなわちにんじん・ごぼう・かぼちゃ・だいこん・白菜・かぶ・山いもなどがあげられます。
「土から下に生える」根野菜は、体を温める働きがあり、トマトやキュウリなどの土から上に伸びる野菜は逆に体を冷やすはたらきがあるというのは、比較的よく知られているところです。
香辛料ではとりわけ、唐辛子・しょうが・ねぎ・にんにくなどが、体を温め、冷えにくい体質をつくるのに効果的とされています。
野菜は根野菜を中心として、生野菜・サラダよりは温野菜や野菜スープ、あるいは味噌汁の具としてとるほうが、冷え性対策としてはベターです。
ちなみに野菜ジュースを愛飲する方も多いでしょうが、冷えた野菜・果物ジュース類は体を冷やしますので、ぬるいまま飲むほうがよいでしょう。
ビールやウィスキーなどアルコール類は、基本的に体を冷やす性質があるとされます。
もっとも体を冷やさないのは日本酒といわれますが、一杯やるのなら、お湯割りや熱燗がベターとなるでしょう。
またタバコのニコチンは毛細血管を収縮させ、血流を妨げます。喫煙は体を冷やすのです。
冷え性の天敵としてタバコは思い切ってやめるか、せめてできるだけ本数を減らすようにしたいものです。
| 冷え性に効くとされる食品 | 冷え性によくないとされる食品 |
|---|---|
| じゃがいも | レタス |
| にんじん | きゅうり |
| ごぼう | なす |
| かぼちゃ | スイカ |
| 鶏肉・牛肉 | 海草類 |
| 唐辛子 | ファストフード |
| 番茶 | コーヒー・紅茶 |
| にんにく | レモン |
| しょうが | アルコール類 |
| サクランボ | バナナ |
冷え性対策として積極的に摂取したい栄養素をあげると、まずは「良質のたんぱく質」を、「ビタミンB群」「ビタミンE」「ビタミンC」といっしょにバランス良くとることを意識したいものです。鶏肉やレバー類から良質のたんぱく質を摂取することで、それらが熱エネルギーに変わり、日中の活動エネルギーが十分に確保されると同時に体温が上がり、冷え体質に傾くことを防いでくれます。
糖質やたんぱく質をエネルギーに変える役割をする「ビタミンB群」、血行を促進するはたらきがあるとされる「ビタミンE」、末梢神経の働きをよくする「ビタミンC」、そして不足すると冷え性のみならず貧血や低血圧の一因ともなる「鉄」は、たんぱく質とともに積極的にとりたい栄養素です。
鶏レバー・豚レバー・牛モモ肉などを料理に使うと、これらをバランスよく摂取することができます。
他ににんにくやネギの成分であり血行をよくする働きのある「アリシン」や、唐辛子に含まれ体温をあげるはたらきのある「カプサイシン」なども、冷え性の方ならば料理の香辛料として積極的にとりいれたい栄養素です。
冷え性の原因はさまざま~総合的な対策の実行こそ克服のツボ
冷え性を気にするあまり、たとえば夏に夏野菜をまったく摂らない、仕事帰りのビールやアイスクリームなどにもまったく手をつけない…と、日々あまりストイックに身構えすぎるのも考えものです。
それではストレスもたまる一方ですし、むしろ全体的に栄養バランスのとれた食生活を送ることを心がけるほうが大切です。
食材や食品群・栄養素においても、あまり神経質に分類したり、摂取制限をすることも現実的ではありません。
たとえば夏野菜であっても、香辛料を使い、加熱して炒め物としてとるなどの工夫をすれば、体を冷やすこともありません。
また、冷え性にプラスかマイナスかという点できちっとした分類が難しい食品もあります。
たとえば「チョコレート」は加工食品として避けるべきとされてきましたが、チョコレートに含まれる「ポリフェノール」や「テオブロミン」には血管拡張作用・血流を良くする作用があることから、むしろ冷え性に効果的とする声もあります。
チョコレートは高カロリーなため、食べ過ぎは別の問題を招く可能性があるものの、ほどほどならば冷え性対策としては気にしすぎることもないでしょう。
まずは、上に述べたような体を温めたり冷やしたりするはたらきのある主な食べ物をおさえたうえで、それらを少しづつ日々の食事に取り入れ、全体のバランスをみながら改善をはかっていくくらいのゆるやかな心づもりでのぞむほうがよいでしょう。
最後にまとめますと、何を食べるか、どんな栄養素をとるかは冷え性対策として確かに大切ですし、またそれが体質の改善に大きな役割を占めることも事実ですが、食事対策だけでは不十分です。
冷え性は自律神経の乱れ、あるいは神経機能・卵巣ホルモンの分泌低下など、いくつかの原因が考えられる症状です(まれに特定の病気によって体の冷えが引き起こされる場合もありますが、その場合は原因となる病気について、病院で専門的な治療が必要になります)。
しかし体質としての冷え性の場合、特定の方法にとらわれることなく睡眠や運動など「生活習慣の全般的な改善」、「バランスのとれた食事」、そして体を外から冷やさないようにするための「住まいや衣服・睡眠環境など日常生活上の工夫」などのさまざまな対策を組み合わせて総合的に行うやり方こそ、冷え性対策としてもっとも効果が期待できることを知っておきましょう。
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